教会憲章16番

教会憲章

16




本人のがわに落度がないままに,キリストの福音ならびにその教会を知らないが,誠実な心をもって神を探し求め,また良心の命令を通して認められる神の意志を,恩恵の働きのもとに,行動によって実践し
ようと努めている人々は,永遠の救いに達することができる(33)。また本人のがわに落度がないままに,まだ神をはっきりと認めていないが,神の恩恵にささえられて正しい生活をしようと努力している人々にも,神はその摂理に基づいて,救いに必要な助けを拒むことはない。事実,教会は,
れらのもとに見いだされるよいもの,真実なものはすべて福音への準備であって(31),ついには生
命を得るようにとすべての人を照らすかたから与えられたものと考えている。しかし,しばしば人
,悪魔に欺かれて,自分たちの考えの中にむなしく迷い,神の真理を偽りと置き変えて,創造主よ
りも被造物に仕えたり(ローマ12125参照),あるいは神なしにこの世に生きそして死んでゆくなど,絶望のきわみにさらされている。したがって,神の栄光とこれらすべての人々の救いとを念ずる教会は,「全被造物に福音をのべ伝えよ」(マルコ1616参照)との主の命令を忘れることなく,
布教活動を励ましささえるよう熱心に努力するのである。


31検邪聖省,指針(19491220):AAS42(1950),p.142 参照。
32 聖卜マス, Summa Theol., III, q.8, a. 3, ad 1 参照。
33検邪聖省,ボストンの大司教にあてた書簡,Dz.3869-72参照。
34カエサレアのエウセビオス,Praeparatio Eoangelica, I,1:PG 21 28 AB.


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